長く薄い木の影。氷の飛び散った道。雲の集まり。これらは日本のレジェンドフォトグラファー、ヒガイヨシロウの新しい写真集“ cold frame ”から見つけることができるだろう。(中略)“cold frame”は明らかに非商業的である。Yen よりもZenと言ってしまおう。アラスカをはじめ福島など各地で撮られたイメージはアクションショットは少なめで、山で得られる瞑想の波動といった静の写真が多い。なかでもヒガイが10年住んだ北海道でのものからは。現実の究極のパウダーを考えてみよう。(後略)“ cold frame ”にドロップインするのにリッチである必要はない。心が豊かでイマジネーションの旅を探している観衆に向けられているのだ。だから、もしあなたが朝五時に山に向かう道すがらの静けさに恐れないなら、もしくは微妙な質感を突き詰めスノーボードライフでさらにミニマリストとなるなら、日本でも最もオリジナルな目によって美しく創られた、この本をチェックしてみてはどうだろう。
写真集を2009年12月に発表して一年半が過ぎました。思い起こせばその半年前の6月に、自分で写真集を出すことを目標にこのスタジオ フィッシュ アイをスタート。とにかく、本を12月3日に出すとだけ決めて、内容はそれから考えることにしました。アートディレクションを白谷敏夫さんにお願いしたのは、写真集のデザインの第一線で活躍されているサーファーだからです。ジャンルの少し違う視点に興味があったからです。『空』(98年発行)以降のベストショットをまとめてみようとも思ったのですが、白谷さんと幾度とセッションを重ねていくうちに方向性が変わっていきました。12月3日『cold frame』と名付けた本は完成しました。とにかく目標通り出来たのです。しばらく時間が経った今、改めて自分のものとしてではなく、一冊の写真集として見返えしてみると、すごくいいと思いました。写真のチョイスも興味深いし、装丁がこんなにキレイな本ってそうないと思えるのです。あの時はこの本を作ることが必要だったのです。
文 樋貝吉郎
ロケーション アラスカ、北海道、新潟、千葉、福島、St.Moritz(スイス サンモリッツ)
登場人物 宮下健一、石原繁、野坂稔和、鈴村新、丸山隼人、
玉井太朗、仁科正史、小松吾郎、永田学、高木康之、
原田夢、佐々木大輔、Mike Basich、Miki higai、
田中大輔、山内勇祐、美谷島慎、玉川千善、土井隼人、
渋谷謙、高久智基、永島秀之、吉田尚弘、山内一志、
五明淳、畔田正志
写真 樋貝吉郎 ( Yoshiro Higai )
装幀・アートディレクション 白谷敏夫
用紙銘柄 トリパインシルク
印刷・製本 大伸社
判型 292mm×220mm
制作・発行 Studio Fish i スタジオフィッシュアイ
発表 2009年12月3日
写真集
“cold frame”
ARTIST 樋貝吉郎
Art Direction 白谷敏夫
PAGE 64pages/4c
SIZE 292mm×220mm
Price 4000yen(+tax)
(c)2009 Allrights reserved Photographer Yoshiro higai & studio fish i