スノーボード写真集「THANKS FOR SNOWboarding」のご案内

永久保存版  80年代から現代のスノーボードディング&オフショット

THANKS FOR SNOWboarding

1985年の丸井スノーサーフィングランプリでの出会いから2021年の立山まで

370枚の写真で構成された僕が過ごしてきたスノーボーディング アルバムです。

樋貝吉郎の新しい写真集。Thanks for Snowboardingのカバーの写真です。青空に雪が舞い銀色の木々。手前は雪の斜面です。

初めてスノーボードを目にし撮影した第二回丸井スノーサーフィングランプリから昨年11月の奇跡の立山まで。ベストアクションだけでなくあの時代の記憶を思い起こさせる総点数370枚の写真セレクションになっています。一度開いたらあなたがスノーボーディングにとりつかれたあの日を思い出し、昔話に花が咲くでしょう。そして、滑りに行きたくなることでしょう。

 

スタジオフィッシュアイ自信を持って

お勧めする内容です。

 

写真集・永久保存版

THANKS FOR SNOWboarding

 

 

ARTIST YOSHIRO HIGAI

PAGE 90 pages/4c

PHOTOS 370posted

SIZE   B5横182×257mm

PUBLISHER   Studio fishi

PRICE 3,000yen (+tax)

発売 2022.1.25

 

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それは既に始まっていたに乗り込んだのは前日の晩った。1985年関越トンネルはまだ開通してなく月夜野からチェーンをジャラジャラとさせながら三国峠を越え、新潟の浅貝スキー場に到着するのには、今よりもずっと時間がかかった。

”ムービンオンマガジン”は世間とは別の道を進んでいたBMXとスケートボードを当時二十代前半の若者、和田肇と石原繁がタッグを組んで日本版の”ACTION NOW”を同志の灯となるべく旗揚げしたアクションスポーツ(マガ)ジンだ。手探りで雑誌を作り始めた彼らには、僕の姿は”使えそうな”格好の存在として映ったのだろう。代々木公園や清瀬でいつも一眼レフを首から下げている写真学科の一年の”カメラくん”はまさに打ってつけだった。最前線に堂々と身を置いてフィルムを使いまくれるスタッフカメラマンは、僕にとっても願ったりかなったりだった。大会からハウトゥやイベント取材まで何でもシャッターを切った。清瀬の大会でバーチカルスケーターをノーファインダーで撮ったはいいが28mmの画角ではフレームからはみ出てたり、代々木の坂でスラロームを望遠で狙ってピントが来てなくても、快く(辛抱強く)撮らせてくれた。それらの解決策は21mmレンズを使うこと、置きピンは旗に合わせればいいわけではないということで落ちついた。すべては自分で考えて試す文字通りの試行錯誤だった。撮影の根っこはここで培われた。”ムービンオンマガジン”の編集部は杉並の銭湯のボイラーの上の部屋だった。彼らが熱く編集会議をし紙焼き原稿や写真プリントを糊で貼付けする作業場であった。室温はサウナ並になるときもあったという。それはともかく僕は銭湯で毎日番台に座っているという21歳の兄と16の妹が自分のそれまでの人生とかけ離れ過ぎていることに衝撃を受けた。その当時、自転車乗りの肇くんとスケートボードの石原くんの共通の関心は新しい遊び”スノーボード”に注がれていた。運命の出会いは突然決行された。深夜クルマの後部座席に収まり、目を覚ますと雪が舞い歌謡曲が流れる駐車場にいた。冷えたコンタクトレンズを乾いた目に貼付け、ザ•ノースフェイスのマウンテンパーカーに袖を通し、毛糸のニットキャップをかぶり、ソレルを履く。すべては当日都合が合わなかった肇くんが貸してくれたギアだ。”丸井スノーサーフィングランプリ”のコースに向かうリフトに、ソレルで乗るとスピーカーから流れるMCの陽気な声は次第に大きくなっていった。中2から使ってきたオリンパスOM-1Nに望遠レンズZUIKO200mmF4で旗の間を滑り降りてくる”スノーサーファー”を追う。スキーレーサーのような本格的な装いからサーフィンのウェットスーツを代用している人までいるが、皆一様にタイムを縮めて勝つことに真剣である。ジャンプに狙いを定めると背中から石原くんが『次と次、抑えといて!』と声がかかる。細身の身体にピッタリとした黒いレーシングウェアに身をつつんで力強く踏み切ったのは関西スケートボード界の草分けである広瀬裕昭だ。続いて広瀬の主宰する”チーム714”に所属している玉井太朗がスターティングゲートに控えている。日本発のスノーサーフブランド”パイオニアモス”のライダーたちだ。宇宙船のような立体的で先鋭的なカタチに既存のスキーブーツはマッチしていないように思えた。優勝した玉井太朗がJALのニュージーランドツアーを手にれた表彰式が終わるとナイター照明が点灯し雪の降りは激しくなっていった。『やってみれば?』と石原くんがSIMS 1500FEを差し出た。オレンジ色の光に照らされた尖ったノーズと割れたテール、裏面は黒いP-Texでデッキ面はグレーの下地にピンクのペンキが飛び散らせてある。

 

 

白い塩ビのパツにソレルを載せグレーのナイロンストラップをベルクロで留める。ハイバックもバックルもい、足首はゆるゆるだけれど両足が板に固定されているのはスケーターからすると不思議な感覚だ。緩やかな斜面をスーッと滑りだした。恐る恐る踵に加重するとススっと向きが変わる『おっ、いけるじゃん』という後ろからの声に気をよくして振り返りもせず、滑った。リフト乗り場に近づくと、見事に餅をついた。転んでも怪我をしないのはいいリフトの列に並ぶとスキーヤーのおばちゃんそれなんていうの?難しい?と声をかけてた。『スノーボードです。そうでもないですよ。』といま初めてやって転んだくせに偉そうに答えた。2月ほどして春に赤倉で開かれたJ.S.B.Aの撮影をまたムービンオンマガジン”でして、翌日は晴れていたので石原くんは柔らかい雪を求めて林間コースに入った。そこは圧雪されていないのはいいが、想像以上の急斜面が待ち受けていた。借り物のバートンエッジ無しタイプの”パフォーマー一瞬で足下が掬われた。どうしてもその繰り返しだ。途方にくれそうになったが、いつまでもそこに留まってもいられない。最終的に板を横向きで尻を擦りながら降りてくる失態だった。浅貝では乗れた気がしたのに、二度目は散々だった。結局ファーストシーズンでスノーボードが僕を夢中にさせることはなかった。目が合った瞬間に恋に落ちるといったラマチック展開ではなかった。

 

(当然話は続くのですが、冗長が過ぎ何十ページも紙面をさくことを断念しました。徒らに思いつくまま綴ると想像以上の量になってしまいました。37年間のエピソードと思うところを抜き出せば、それは避けられないことであるのです。つづきは電子版に掲載します。)


街をスケートボードで流して写真を撮っていた自分が、いきなりカナダに小川理人とトリップに行ったことで目覚め、玉井太朗に誘われニセコ、アラスカ、モンゴル、シベリアと視界が急に開けていった。雑誌で様々な場所にも行かせてもらい、北海道にも住んだ。まさにスノーボーディングが大きく成長するタイミングだった。創成期から世界中で多くの人がそれぞれに創意工夫をして道具の機能性は進化していった。どこでも滑れて何でも出来る今の進化には感謝しかない。数カ所でしか滑れなかったスキー場も、どこでも滑走可能になり、技術も驚くほど向上した。人生を賭けた人々も現れたが故にカルチャーも生まれた。それらに合わせて自分も育ててもらった。スノーボーディングに関わった全ての人に感謝したい。あらゆる物事は環境があって先人と共に歩む仲間がいて、はじめて自分が享受できる。当然だけれど忘れていたことを今回思いださせてくれた。自分を取り巻くすべてに”感謝”という言葉以上の感謝をしたい。

 

スノーボードは楽しい。気がついた僕らはラッキーだ。まだやったことがない人は是非試して欲しい。極論を言えば雪があればいい。雪が降るところに住む人はスキーやスノーボードでなくてもちょっとした斜面で橇で滑ってみてもいい。何かが変わるはずだ…。

スキーと肩を並べるほどにあらゆる面が体系化し完成の域にある。自分はシーンが育ついい時代を過ごしたのは間違いない。けれど、今はもっといいし、これからさらに良くなるだろう。

スノーボードでも別の何かでも興味があればやってみよう。鍵を握っているのは自分自身なのだから。

 

サンクス  フォー  スノーボーディング!!

 

 

樋貝 吉郎  56歳

2022年1月7日

 

1985。はじまりの日から

運命の出会い突然決行された。深夜クルマの後部座席に収まり、目を覚ますと雪が舞い歌謡曲が流れる駐車場にいた。冷えたコンタクトレンズを乾いた目に貼付け、ザ•ノースフェイスのマウンテンパーカーに袖を通し、毛糸のニットキャップをかぶり、ソレルを履く。(中略)目が合ったに恋に落ちるといったドラマチックな展開ではなかった・・・。

 

1985年2月10日 19歳

©Yoshiro Higai
S
THANKS FOR SNOWboarding
Snowboarders

 

Hiroaki Hirose,Taro Tamai,Sanae Kurokoshi,Chizuru Wada,Noriko Kochi,Seigo Kitazawa,Katsumi Matsushima, Tadashi Osone,Mitsugu Toyoda,Tatsunori Morioka,Toshiyuki Takizawa,Yumi Yamaga,Shigeru Ishihara,Katsutoshi Goto,Jun Yokoyama,Koji Wada,Poi-san,Yoshifumi Egawa,Morio Aizawa,Kanako Nakamura,Katsuaki Sato,Satoshi Takahashi,Todd Finny,Takashi Nishikawa, Morio Aizawa,John Stewart,Flynn Seddon,Tucker Fransen,Tim Windell,Kevin Delaney,Munetaka Nozue,John Kamitakahara,Masanori Takeuchi,Attchan,Katsu Akiyama, Kei Ishi,Hiromi "Doji" Isaka, Katuhiko "Satonee" Sato,Hayato "bubbles" Maruyama,Kelly Ross,KatsuroTaguchi, Masaaki "EZ" Iijima, Natsuki Oba,Satoru Sakamoto,Masao Misawa,Hiroki Kaminaga,Yukio Oikawa,Masayuki ”Shacho"Nozue, Kei Sato,Chikanori Suto,Hiroshi Ata,Tsubokawa,Toshiyasu Ishikawa,Bert LaMar,Hirokazu "Jumbo" Furukawa,Hiroshi Murata,Mikihiro Abe,Trevor Smith,Masato Ogawa,Garry Pendygrasse,Keith Zajac,Dano Pendygasse,Dice-K Maruyama,Alex Warburton,Ken Achenbach,Sean Kearns,Marc Castonguay,Dan Donnelly,Damian Sanders,Nick Perata,Shaun Palmer,Mike Ranquet,Don Szabo,Dave Seoane,Dave Dancan,Jeff Brushie,Terje Haakonsen,Don Schwartz,Reto Lamm,Bryan Iguchi,Kazuhiro Ishikawa, Shingo Takahashi,Goro Komatsu,Tina Basich,Mike Basich,Jamie Lynn,Kris Peterson,Fresno, Midori,Bud Fawcett,Jerry Dugan,Veronica,Noah Salasnek,Steve Graham,Gaia Dabbeni,Kelly Jo legaz,Petra Müssig,Keith Wallace,Matt Cummins,Rob Morrow,Dave Dowd,Hikari Suzuki,Shigeto Watanabe, J.P.Martin,Eigo Hayakawa,Tatsuro Higashi,Masataka Sasaki,Akira Hori,Hiroshi Otaki,Takayuki Kaizu,Bakke-san,Shigeaki Inoue,Johan Olofsson,Roan Rogers,Shuichi Hirayama,Hiroyuki Kuraoka,Tomoki Takaku,Osamu Usami,Gaku Nagata,Yasuhiro Komori,Tomomi "Sheesa" Kuwahara, Tomoko Okazaki,Kansuke Ota,Shawn Farmer,Matt Goodwill,Victoria Jealous,Nate Cole,Mike Hatchett,Aaron Sedway,Dave Swanwick,Steve Matthews,Sumito Watanabe,Paul Chetwynd,Kenji Nakayama,Toshiyuki Akutagawa,Ivan Drake,Kuniyuki Marumo,Craig Hudson,Yosuke Nishida,Taizo Fukushima,Kenichi Yamaguchi,Toshihiro Fukuyama,Didier Oppliger,Kumiko Taki,Shimon Kimura,Yoshinari Uemura,Kazuhiro Sone,Masayoshi Kamimori,Tadashi Fuse,Regis Rolland,Michihiko Yoshino,Maki Okuyama,Takashi Nishida,Takamasa Imai,Toshiya Seyama,Jun Kamata,Kenji Ishikawa,Kyle Drubek,Goripon,Yoshitaka Ota, Akifumi Hiraoka,Katsuya "Rio" Tahara,Kotaro Ogura,Tomoko Yamakoshi,UAE,Hiroto Kaiba,Makoto Takagaki,Fabian Rohrer,Yuki Yamazaki,Max Plotzeneder,Shannon Dunn,Masako Adachi,Kaoru Yaguchi,Yuu Nishiyama,Yasuo ”Kaicho”Aiuchi,Hirohisa "MAJOR" Sato, Takanori Izawa,Jeremy Jones,Tomoyuki Asano,Ryoma Hosaka,Nobuyuki Ohe,Chiyoshi Tamakawa,Ryutaro Oku,Takaoki Hashimoto,Kentaro Izumi,Shingo "Tingo"Tsuchihashi,Ken Shibuya,Tom Bart,Dave Downing,Hiroaki Yoneda,Keiko Yanagisawa,Yoko Sasaki (Miyake),Pär Dahlin,Futoshi Ishikawa,Shinya Nakagawa,Yusuke Mino,Hayato Doi,Kazushi Yamauchi, Kazumasa "Jr"Yamada, Harry Gunz,Dani Kiwi Meier,Paul Gruber,Ken Miyamoto,Miki,Juniper,Naohiro Yoshida,Asuko Miyake,Munehiro Horio,Kinuyo Matsumoto,Satoshi Tsukahara,Naoyuki Watanabe,Masahiko Tabata,Chiharu Narumi,Yuta Kiyohara,Masashi Nishina,Kenji Ando,Satomi Kawada,Nozomi Kawada,Teppei Hirota,Rui Kurose,Masanori Sugita,Kazuya Domae, Takashi Tokita,Ayumu Hirano,Masatake "Chen" Yamamoto,Yudo Yoshida,Risto Mattila,Antti Autti,Shin Biyajima,Mike Basich,Yuta Kobayash,Yusuke "BIG" Yamauchi,Jiro Nakayama,Atsushi Gomyo,Takuya Tsukada,Naomi Tozawa,Yuki Yoshida,Takashi Osanai,Masayuki Hayakawa,Yuichi Shindo,Masayuki Ishiguro,Shozo Aoki,Mutsuo Yamaguchi,Hideki Takeda,Shinzo Tanuma,Makiyo Tamai,Tenma Tamai,Mitsuhiro “Bancho” Nagasaka,Hiroaki “Yone Film” Yonekura,Narufumi Yoshimura,Tasuku Matsuura,Masaki Kitae,Yusaku Nagasawa,Keita Yamazaki,Hideyuki "Hideva" Matsuoka,Koichi Tamai,Shunsuke Hoshino, Takuya Tsukada,Koji Ishihara,Momo Miyaoka,Haruna Maruyama,Matty Moo Herriger, Forrest Shearer,Josh Dirksen,Dave Enright,Makoto Yamada,Takuya Harayama,Masashi Kuroda,You Sasaki,Kenichi Miyashita,Osamu Okada,Hiroki Matsuura,Takafumi Konish,Go Biyajima,Yu Takeo,Hiromi Tatsumi,Ryland Bell,Juntaro Iso,Kunihiko Miyanaga,Hideyuki Matsuoka,Minato Miyauchi,Mitsuhiro Sugimoto,Yusuke Asakawa,Takumi Tosaki,Takashi Minamiura,Yoko Nakamura,Arata Suzumura,Takaharu Nakai,Yo Amagai,Naoto Kotsugai,Kazuhiro Kokubo,Kohei Kudo,Yuta Watanabe,Yusuke Hirota,Kensuke Numano,Shinji Sato,Yoshifumi Aida,Yosuke Takahashi,Satoshi Shibuya,Takeshi Hirayama,Yuzi Azuma,Takayuki Hirano,DieGo,G.G.Fabian Gunz,Team Rad-Air,Hisanori "Nori" Katsuyama,Rei Igarashi,Kazushige Fujita,Hayato Mochizuki,Masakazu Fukuyama,Taisei Son,Keisuke Katayanagi,Karen Muneno,Kenji Kato,Ruiki Masuda,Kon-chan, Hee-chan,Yuuga Noto,Love,Kazuyuki Arisa Mutou,Yusaku Horii,Ryuichi Murakami,Shuji Kajiura,Asahi Yoshino


and more riders Special thanks

THANKS FOR SNOWboarding

1985年、十九歳の冬にスノーボードに出会って以来、三十七回の冬を迎えようとしています。(中略)長期滞在したニセコは別世界でした。そこからアラスカ、モンゴル、シベリアとそれまでの人生では考えられなかった世界にも足を踏み入れるようになりました。当時はスノーボードは世界的にもブームになっていて専門誌は国内だけで4誌以上ありました。どの雑誌とも仕事をさせてもらい、国内外のトリップやサマーキャンプ、コンテスト取材まで幅広くシーンと触れ合わせてもらいました。98年にニセコに移住して、毎日滑りつつ、除雪や家、クルマ諸々と格闘しながら雪国で暮らすということを体験しました。(中略)これらのなかで数えきれないくらに最高な瞬間に出会い写真を撮ってきました。自分が出会ったスノーボーディング“楽しみ”をテーマとしています。普段着のスノーボードシーンの思い出アルバムです。雪の上でライダーたちと共有した時間のそのすべてがかけがえのない大切な記憶です。そして、多くの人に見てもらうのはシーンをけてきた自分の役目だと思います。

これらは僕のスノーボードへの感謝状です。

Norway Yoshiro Higai 2017

樋貝吉郎の新しい写真集。Thanks for Snowboardingのカバーの写真です。青空に雪が舞い銀色の木々。手前は雪の斜面です。

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